歩く F氏のスノードライブ教室(その1)
タイヤチェーンの付け方


これで完璧!

F氏のスノードライブ教室(その2)


 皆さん大変お待たせしました(誰も待ってないって?)。D-Club 前WebMasterでありますFのドラテク教室第2弾、実践編です。その1では基本的な注意事項をお伝えしましたが、本編ではいざ実際にその場面に遭遇したときにどうすればいいのかを伝授したいと思います。

◎駐車のしかた
 さぁ やっと目指す駐車場に到着しました。運良く駐車スペースも空いており、それでは早速ゲレンデにと、いいたい気持ちはよくわかるのですが、ちょっと待ってください。普通の駐車場ならともかくここは雪山です。ちょっとした注意が後で大きくものをいってくることがありますよ。

1.大山の駐車場
 通称大山寺には駐車場が少ないことで有名です。除雪は行き届いているのですが、いかんせん駐車可能台数が少なく、休日は常に満車状態が続きます。大山寺周辺には乗用車は830台ほどしか駐車スペースがありません。そこに1万人以上の人が集まろうとするのですから大変です。路線バスで行けばいいとはいうものの、彼女を連れて颯爽とご自慢のRVでという気持ちもよくわかりますよね。 駐車場を増やせば一気に解決するのですが、いろいろと事情があってなかなか実現できません。とりあえず明日のスキーには間に合いませんから、現状で少しでも楽に停めれるような方法をお教えしましょう。

2.近くて安い駐車場から埋まる
 当たり前のことなのですが、目的地に少しでも近いところに安く停めたいのが全国共通の人情というもの。大山では第1駐車場、立体屋上、立体屋内、南光河原、下山の順に詰まっていきます。立体屋内は露天より400円ほど料金が高いので、どうしても空車の可能性が高くなっているようです。とはいっても休日には午前5時頃に満車になることが多く、特に日曜日は土曜からの宿泊者の関係で元々空きが少ないため、すぐに満車になってしまいます。
 これに対処するには早めに到着して車中で仮眠するか、最初からあきらめて槇原駐車場からシャトルバスを利用するかになってします。個人的には空いてもいないであろう駐車場のために苦労して雪道を走るより、シャトルバス利用をおすすめします。駐車料金にバス料金も含まれていますし。万が一を求めて時間を浪費するのは精神衛生上もよろしくないと思いますよ。今在家チェーン脱着場

また、彼女にカッコをつける必要のない方でしたら、道中にチェーン脱着場が整備されていますので、そこに駐車してしまうのも一つの手です。チェーン脱着場といってもかなりの駐車スペースがあり(例えば今在家脱着場でしたら100台以上は駐車可)、なぜか路線バスの停留所のすぐ近くなのです。帰りの時間に制約はありますが、空車待ちで時間を無駄にするよりはましだと思いますよ。
 休日でも昼前頃から早帰りの車が出だします(特に日曜日)。かなり運に左右されますが、半日だけ思いっきり滑ろうという方は試みてもよろしいかと思います。

3.路上駐車はしない
 駐車場は満車。路上には他の車が続々と停まっている。早くゲレンデに行きたい。普通の人ならば、違法駐車を承知の上、そこに停めてしまう誘惑にかられてしまうでしょう。
 でも少し考えてみてください。道路は車が通行するために除雪してあります。そこに車が停まると、当然それだけ通行スペースが減ります。スリップして動かない車があったりすると、たちまち交通渋滞になります。シャトルバスがなかなか到着できない原因の大半は、路上駐車とスリップによる立ち往生なのです。
 また、途中で雪が積もった場合、除雪車はその車をよけて通ります。その後にはしっかり雪の壁が・・・ここから脱出するのにはかなり苦労することになります。いつだったかゲレンデに行く道の途中に放置してあった車が雪で隠れてしまい、その上を何も知らない人々がスキーで通ったり、雪上車が走ったりしていました。春になってみると、もうベコベコの傷だらけで廃車された方がおられたそうです。自業自得とはいえお気の毒なお話です。

4.山の駐車場は寒い
 駐車場は寒風が吹きすさび、すぐに凍結してしまいます。その対策をあらかじめとっておきましょう。
 もっとも効果的なのは、車丸ごとをカバーで包んでしまうこと。これなら窓に雪が凍り付くことなどありませんが、普通そんなもの誰ももってやしません。RVなどかけるのも大仕事です。そこで、一般的には「ワイパーは上げておく」「サイドブレーキはかけずにギアを入れておく」といったところでしょうか?フロントウインドウに新聞紙などをガムテープで張っておくだけでもずいぶん違います。あと、車の中に金目のものが入っていない場合は、キーロックしないという手もあります。車のヒーターだけで凍結を溶かそうとするのにはずいぶん時間がかかるものと思ってください。寒い中では水温計がいつまでたっても動かないものなのです。
 もうひとつ、見落としがちなのが車の駐車位置。道路のすぐ下などは上から物が(まれには人が)落ちてくることがあります。両側の車との間隔にも要注意。出場するときに尻を降って傷を付けたり付けられたりする可能性があります。私の知人に駐車したら必ず両サイドの車のナンバーや色を控えておくというやつさえいますよ。まぁ、後日の紛争をさけるためにはそこまでしておけばよいのでしょうね。必殺技ではないですが、400円余分に払って屋内駐車場に停めると、雪が積もったり物が落ちてきたりする危険性がゼロになります(笑)。

5.駐車場係員と喧嘩しない
 駐車場のおじさん(おじいさん?)たちは寒い中整理などの仕事をしています。夏の間は農業に従事している純朴な(単純な?)人たちばかりです。この人たちを活用しない手はありません。「駐車料金が高い」「駐車場が少ない」など文句をつけても、この人たちにはどうしようもないことです。だったら「おはようございます」「お疲れさまです」程度の声がけと、少しの笑顔はいただけませんでしょうか?おじさんたちも人間ですから、おいしい店を紹介してくれたり、スリップして動けないときに替わりに運転してくれたりしてくれますよ。鍵穴が凍ってしまったときに、お湯を分けてくれたりするって知ってました?

◎スタックしたとき

 雪道でスタックした(いわゆるハマッてしまった)ときはつらいものがありますよね。特に夜などは文字通り目の前が真っ暗になってしまいます。楽しかったスキーの記憶は一気にぶっ飛んで、隣の彼女からは冷た〜い視線。こうならないのが一番なのですが、ハマッてしまったものはどうしようもありません。ここでいかに冷静に対処し素早くリカバリーできるかで、冷たい視線の程度も大きく違ってきます。後の信頼回復にかかる出費にも大きく影響しますし・・・

1.まず状況把握
 一口にスタックしたといっても、状況により大きく対処方法は変わります。単にスリップして動けないだけなのか、道から外れて溝にはまってしまったのかなど、対応方法は全く違います。なんでもかんでもJAFをCALLでは芸がなさすぎますよ。
 ここではおおきく@単なるスリップA新雪に埋もれて動けないB雪の固まりなどに乗り上げて亀になったCちょっと脱輪したD完全に道路から外れたの、5ケースに分けて説明していきます。

2.ケース毎対処法
@スリップして動けない場合
 凍結した上り坂で止まってしまった場合、再び動こうとするとうまくいかない場合が多くあります。いうまでもなく、車輪の駆動力が道路に伝わらないのです。FF車ではよくこういう事態に陥ります。どうするかといいますと、とにかく駆動力を与えるにつきます。当たり前だと怒らないでください。この当たり前のことが雪道では大変なことなのです。
 まずタイヤにでこぼこを作って抵抗を増やすという方法(普通にいえばチェーンを巻く)です。ただ、こういう場合はたいていチェーンをお持ちでないと思いますので、道路の方に抵抗を作るという方法になると思います。板きれとかぼろ布をタイヤにかませてその抵抗で発進するという方法です。複数の人が乗車している場合は、人力で強制的に駆動力を与える(要するにひたすら押す)ことでも脱出することができます。駆動輪に圧力を与える(重くする)ことで更に効果を増すことができます。要注意なのはうまく動くことができても、後ろで押している人はどうやって乗車するのかという問題が残るということです。普通山道は上り坂が続きますからね(笑)。
 発進しようとする際にはアクセルを踏みすぎないことが肝心です。セカンド発進で(マニュアル車は半クラッチも併用して)エンスト寸前の状態での発進を心がけましょう。
A新雪に埋もれて動けない場合
 朝起きてみると新雪がどっさり!雪国ではよくあることです。童心に帰って新雪に足跡を付けている間は楽しいのですが、駐車場で唖然!車が雪にすっぽり。とりあえず雪を払って車に乗り込んでエンジンをかけてみたものの、道路まで出ることができない。さぁ困った・・・
 根本的に解決するためには原因を取り除く(つまり雪をどかす)ことが必要なのですが、これは結構な重労働になります。スコップがない場合は更に大変ですね。車の種類が大径タイヤの4駆車であれば、車自体を除雪車にして無理矢理脱出するということもできるでしょうが、後輪駆動の乗用車などは下手をすると腹の下に雪が詰まって完全に亀状態になることもあります。現実的な方法としては、タイヤの前後の雪をまず取り除きます。他に人がいれば後押しで車を応援してもらいましょう。そして、一気にアクセルをあけることなく、ゆっくりと前進バックを小刻みに繰り返して、雪を踏み固めながら進んで行くとなんとか脱出!ということになると思います。ただ、積雪量が多い場合(目安として車のバンパーの上あたり)は、あらかじめ進路の雪を排除しておいた方が無難でしょうね。当然タイヤの種類やチェーンの有無で大きく脱出条件は違ってきます。
 くれぐれもアクセルを踏みすぎないように。車が動かないと、人情としてアクセルを踏み込みたくなります。ところがいくらアクセルをふかしても、タイヤは空転するばかりで、どんどん深く埋もれていき、文字どおり墓穴を掘ってしまうことになりますよ。もうひとつ。以外と気づかないのですが、タイヤはまっすぐにしておくことが必要です。
B雪の固まりなどに乗り上げて亀になった
 除雪されて固まった雪などがこんもりと小山状態になっていることがあります。また、駐車場の通路を除雪した場合に、横にこぼれた雪の固まりが凍結して堅くなっていることもあります。
 あらかじめその固まりを取り除いてから通行すればどうってことはないのですが、それを面倒がって勢いよく乗り越えようとすると、前輪が乗り越えた段階で雪が車腹につかえて、いわゆる「亀さん」状態になってしまいます。こうなると4駆であろうがチェーンをつけていようが、文字どおり手も足も出ずじたばたともがくだけになってしまいます。
 脱出方法は、スコップなどで少しずつ腹の下の雪をかきだして、タイヤを見事着地させるということになります。実はこれが本当に大変で、元々固まっている雪が車の重さと乗り越えた勢いとでしっかりプレスされており、一筋縄では取り除けないのです。それも低い位置で車という障害物の下から掻き出さなければなりません。当然、人間の体勢は雪の上に寝っころがっての苦しい姿勢で行うということになります。近くに仲間の車があったり、親切な人がRVを転がしていたら、牽引してもらう方が手っ取り早いでしょう。人力で手助けするというのもいうまでもありません。
Cちょっと脱輪した
 調子に乗って雪道を「カウンターステア!」などと叫びながら走っていると、コントロール不能になって脱輪してしまうことがあります(というより大抵そうなります)。気をつけて運転しても突然スリップしてしまうこともよくあります。
 脱輪の程度にもよりますが、ただちにJAFに電話というのはなさらずに、冷静に状態を把握します。たとえば路面の状態にもよりますが、前輪駆動車の後輪が片方だけ溝に落ちた程度であれば、後ろから人が押すだけで簡単に脱出できることがあります。駆動輪が脱輪したり、片側の前後ともとなるとちとやっかいですね。あたりを見回して丸太とか板きれとかが落ちていないか探します。トランクの中からジャッキを持ち出し路面高まで車を持ち上げます。丸太や板きれを駆動輪と道路の間に挟み込み、てこの原理とエンジンの力で脱出を試みます。浅い溝ならこの方法が有効です。人手がたくさんあって、車が軽い場合は人力で持ち上げるということもやってみる価値はあります。この際には手を切らないように軍手などをして試みてください。他の車に牽引をお願いするのも有効です。この場合は必ず誰かが運転席で車をコントロールする事を忘れないでくださいね。さもないと、やっと脱出できたのに今度は反対側にドボン!ということになりかねませんからね。牽引はできるだけ重くかつ駆動力の高い車(RVなど)にお願いしましょう。4駆でもチェーンがないと役に立たない場合が多いようです。
 どうしてもだめな場合、手助けしてくれる人がいない場合は、やむを得ませんのでJAFなどの業者さんにお願いすることになります。ここで裏技(?)を一つ。といっても誰でもできるというわけではありませんが・・・脱輪して途方に暮れていてもなかなか手助けに停まってくれる人はいないようです。どっちかというと「ざまぁみろ」という感じで嘲笑さえされるくらいです。かわいい彼女を暖かい車内に残しておきたいという気持ちは解りますが、ここは彼女に一肌脱いでいただきましょう。女の子が一人しょんぼりと脱輪した車を眺めていると大概の男だけのグループが「どうしたの?」と声をかけてくれます。彼女が手助けをお願いしたところで、それまで車の陰に潜んでいたあなたはおもむろに登場するのです。これはかなりの確率で成功しますよ。少なくとも私は100%停まります(笑)。
 実際に男がスタックしていると「早くどかせ!バカヤロー」ですが、女の子だけの車だと同じ人が「どうしたの?手伝だおうか」ですからね。
D完全に道路から外れた
 この場合は事態が深刻です。林につっこんだ、田圃に落ちた、崖から転落した!などまず自力ではどうしようもありません。エンジンスイッチを直ちにカットし、まず自分たちの体の状況を確認します。身体に異常がなければ、車外に出て燃料漏れなどがないかどうかを確認し、自らの不運(不徳?)を呪いながらJAFなどに救出を依頼することになります。体や車に異常がある場合は、通行人に助けを求めたり、119番通報することになります。大山周辺の道路はほぼ完全に携帯電話が全社通じます(逆にPHSはほぼダメです)。公衆電話がほとんどなく、人家も見あたらないところが多いので、携帯電話が威力を発揮します。110番や119番を直接ダイヤルすることで、所轄にかけることができるようになっています。

3.後始末
 なんとかスタックから脱出できました。早くおうちに帰りたい、あるいは暖かいところでお茶したいという気持ちは解りますが、後かたづけを忘れないでくださいね。使ったぼろ布などを放置したまま帰るなどというのは言語道断です。現場の整理整頓はもちろんこと、ガードレールや塀などを壊していれば、道路管理者や所有者に連絡が必要です。他の車を傷つけた場合も同様です。放置したままで逃げ去った場合、最悪「逮捕状」という滅多にみることのできない公文書を突きつけられることにもなります。
 手助けいただいた方へのお礼も必要です。手助けの程度にもよりますが、ちょっと押してもらったり、牽引していただいたくらいの時は「ありがとうございました」の言葉だけで十分だと思います。もっとも、相手がステキなおにいさん(おねえさん?)の場合は、近くのレストランでお食事というのもあなたの自由ではありますが・・・

4.予防が大切
 いろいろとご説明してきましたが、要は「一度ハマルと後が大変」ということです。いくら備えていても憂いが出ることはありますが、備え(雪道装備)をしていないと憂いを自分で招いているようなものです。とにかく「急」のつく行為をしない、冬用タイヤにタイヤチェーンの装着でかなりの部分防ぐことができると思います。
 大山でも係員の忠告を無視したり制止を振り切って無理をし、最終的に罵声を浴びながらレッカーや雪上車のお世話になる方がいらっしゃいます。惨めな思いをしたくなければまず自分自身で予防措置をとりましょうね。

◎チェーンの装着
 雪道で絶大なる威力を発揮してくれるタイヤチェーン。でも装着が面倒なのと、滅多に使用する機会がないなどのことによりほとんどの車に装着されていないのが現状です。私にしてからがよほどの凍結路面でないと装着することがありません。でも、スタックの項でもふれましたが、何かトラブッたら後が面倒です。転ばぬ先の杖ならぬ「滑らぬ先のチェーン」でいきましょうね。

1.チェーンの付け方
 タイヤチェーンの種類や特徴についてはドラテク教室(その1)で述べました。ここでは、実際にどのようにして装着すればよいかをご案内したいと思います。楽にチェーンをつける方法もいろいろとあるようですが、滅多につけない方がほとんどでしょうから、忘れることのない基本的な(言葉をかえますと少し手間がかかりますが)方法をいくつかご紹介します。使用するチェーンもどんな田舎でも手に入り、値段も安い(装着が一番面倒な)梯子型のチェーンで行います。
 実際に画像を用いてご説明しますのでこちらをご覧ください。

2.共通原則
@装着の時期
 タイヤチェーンの装着する時期は、当たり前のことをいいますと「雪や路面の状態」によります。これでは身もふたもないのですが、シャーベット状の雪がある場合と、凍結している場合では大きな差が出てきます。万全を期そうとすると、路面に雪が現れたら直ちに装着ということなのでしょうが、ガチャガチャとうるさいし、路面に傷は付くし、チェーン自体も切れてしまう可能性があります。一つの目安として、すれ違う車がチェーンを付けていたり、路面が全く見えなくなったときはもう付け時ということでよろしいんではないでしょうか。気温が高くシャーベット状のときは、まだ付けなくても大丈夫でしょう。いずれにしても動かなくなってからでは手遅れです。迷いが生じたら付けてしまいましょう。
 これはもちろん冬用タイヤが付いているのが前提で、万が一ノーマルでしたら雪を見たら直ちに装着されることをおすすめします。
A装着する場所
 チェーンの脱着はそれなりの時間とスペースを必要とします。道路上で装着などもってのほかです(たまにいらっしゃいますが)。そろそろチェーンを付けようかな?と思われたら装着に適切な場所を物色しましょう。大山スキー場に至る道路には、何カ所か「チェーン脱着場」が整備されています。ここだったら安心して車を停めて作業ができますが、雪の方は脱着場に合わせて降ってはくれません。この場合、できるだけ広くて平らな場所を探します。坂道や路上にはみ出すようなところでの脱着作業は、なれない人にとってはものすごく大変で危険な作業となります。なぜ危険かですって?坂道では車も人も滑ります。ジャッキアップしていたら、ジャッキが滑ってはずれてしまうかもしれません。フェンダーの内側に手を差し込んでいたら骨折の可能性があります。何かの弾みで道路上に転んでしまうかもしれません。そこに他の車が通りかかったらお陀仏です。たとえバックすることがあっても、安全な場所を選びましょう。
 もう一つ、雪が少ないところを探しましょう。平らに見えても路盤はでこぼこしているかもしれません。溝が隠れているかもしれません。チェーンを付けようとしてスタックしては元も子もありませんからね。
Bタイヤの種類
 チェーンも大切なのですが、チェーンを巻くタイヤそのものにも気を使ってください。ノーマルタイヤが言語道断なのは言うまでもありません。駆動輪にチェーンを巻くことで、前に進む力は得られますが、チェーンを巻いていないタイヤの抵抗力はノーマルのままです。このタイヤがしっかりスリップしてくれますから、雪山には必ず冬用タイヤを使ってくださいね。かくいう筆者も旅の途中突然の雪でノーマルタイヤにチェーンを巻いて高速を走ったことがありますが、大変スリッピーで同乗者にものすごい恐怖を味あわせたことがあります。RV用でオールシーズンタイヤというのがありますが、まぁノーマルよりは少しはましくらいに思っておいてください。街の中の平らな道でシャーベット状の雪の上を走るにはいいかもしれませんが・・・
 冬用タイヤといっても何シーズンも使ったタイヤは思い切って交換した方がいいと思います。溝は深く残っていても、抵抗力を生む溝のショルダー部分が確実にすり減っています。コンパウンド自体も時とともに劣化していくそうです。

3.あれこれ
 いろいろと述べてきましたが、最後に小物についてのお話です。チェーンを付けるときは基本的に外は寒いはずです。普通スキーにいくときは防寒具はスキーウエアですよね。チェーンを付けるときは汚れるのを覚悟してください。ご自慢のウエアやグラブを汚したくないという方は、あらかじめ軍手(土木作業用のビニール張りがいいですね)やビニール合羽(いわゆる使い捨てコートで十分です)を用意しておかれた方がよろしいかと思います。雪の中で鉄のチェーンを素手でつける苦痛はあまり体験しない方がいいと思いますよ。筆者も披露宴用の礼服姿でチェーンを巻いたことがありましたが、そのときの辛さと披露宴会場で笑いものになったことはあまり思い出したくありません。
 チェーン関連で持っていた方がよいものに「針金」があります。標準工具の中にあまり細くないものを1mほど入れておくだけで十分です。買ったばかりのチェーンを使うと、長さが長すぎることがあります。余ったやつをそのままにしておくと、走行中ボディーに蹴りを入れてくれることになります。うるさいだけでなく、フェンダー内が傷だらけになってしまいますので、これを防ぐために役立ちます。また、運悪くチェーンが切れてしまったときの応急処置に使えます。スピードを出すとすぐ切れてしまいますが、チェーンなしで走る恐怖からは逃れることができます。

 これで、F氏のスノドラ教室はお終いです。何でもそうなのですが、読んだだけの知識と実際とは全然違います。でも最低限の理屈ややり方を知っておけば、いざ鎌倉となったときに何とかなるものです。みなさんの安全で楽しいスノードライブを祈っています。