大山冬山パトロールルポ
 
 標高1711mとそれほど高くはない大山。しかし、冬になると日本海に面した独立峰ならではの厳しさを持つことになります。油断していると3000m級の山と同様の厳しさを味わうことになってしまうのです。そして残念なことに遭難事故の多くは、準備不足や油断によるものなのです。安全な登山のために、鳥取県警や鳥取県山岳協会では休日には登山パトロールを行い、安全な登山が行えるようルートの確認や、情報の提供、登山の指導などを行っています。
 D-Clubでは厳冬の大山をみなさんに知っていただくために、鳥取県山岳協会のパトロール隊にデジタルカメラを託し、滅多に見ることのできない冬の大山登山の様子を提供することとしました。
 
 今回のルポに協力していただいたのは、鳥取県西部を拠点にしている「岳獅会」という山岳会のみなさんです。若い方から結構年輩の方までがメンバーで、鳥取県内では結構有名な山岳会なのだそうです。レポートは若手会員の石名さんにお願いしました。
 これ以降も機会があったら、D-Club提携山岳会(?)としていろいろな大山をレポートしていただこうと思っていますので、どうぞご期待ください。

 
 

                       
発前に拠点の大山寺交番の前で勢揃いのメンバーです 大山寺橋のたもと付近・・・秀峰大山も雲がかかっています 夏山登山道の入り口です
 肝心なことを忘れていました。登山の前には必ず登山届け、そして下山したら下山届けを提出するようにしましょう。冬山登山の場合、大山寺交番で気象情報などを得ると共に、届けを提出することができます。
交番の中の登山届記載台です。天気図なども張ってあります。 これがおなじみ(?)「登山届」用紙

 今年は例年に比べて雪の量が少なく(スキー場は大変でしたね)、その分登山道はわかりやすく、道標も埋もれていないところが多くありました。ただ、これはたまたま今年がそうだったということですので、いつもこの程度の雪だとは思わないでくださいね。
まず1合目 そして2合目 だ3合目 それにしても雪が
少ないです。
4合目 1200m地点 真ん中5合目です


登山道の所々に赤い布が巻いてあります。これはいうまでもなく目印です
樹氷の間から下界を望む。まだ雲が多く、はっきりとは見えませんでした。

 夏山登山でも6合目付近にある避難小屋は休憩場所の定番ですが、冬山の場合、こんな小さな小屋でもありがたみは一気に増えることとなります。この日も中がいっぱいになるほどの登山者がおられました。
元谷に降りる道(行者谷コース)の
分岐点
6合避難小屋に到着。荷物を下ろ
して一休み
狭いながらも楽しい避難小屋?
登山者を見上げながら出発です 道しるべを点検、補修するのも重要な任務なのです

途中青空がのぞいてきました 北壁が何ともきれいです

さすがにほとんど埋まった7合目の標柱 岳獅山岳会のエース長澤さん。毎週のように登ってます 8合目で出会った松江からの登山者。「今日は安心ですね」
???実は9合目の標柱です 山頂(弥山)まであと少し! おなじみ山頂避難小屋です。例年だと屋根しか見えません

 実は「大山」というのはいくつかの峰の総称なのですが、「弥山(みせん」という峰を通常大山山頂と呼んでおり、山頂の碑もここにあります。
山頂小屋の冬用の入り口です 天気が良かったので外で食事を
とりました
香田さんのメニューはかき揚げ入
りラーメン。ただいま花嫁募集中!
すごい犬!
大山山頂の碑 縦走路をバックに記念写真 犬までもが冬山登山?

 山頂には犬までもいました。冬山といってもなめさえしなければ難しいものではないのです。
 この日は途中から天気が大変良くなり、すばらしい景色を眺めることができました。これも冬山ならではのことなのです。

山頂から見る雲海です 剣が峰(1728m)を望む
光と陰のコントラストが何ともいえない美し
さでした

山頂小屋に雪が大量に吹き込んでいましたので、雪かき作業です
山頂付近から見た下界の様子
です(左)


下りの際にも6合避難小屋で一
休みです(右)

 山は登ったら降りなければなりません。そして最後まで気を抜くことはできません。特に冬山は登りより下りの方が滑落の危険性が高いのです。
 帰りは6合目から行者谷コースを通り、元谷の方へ下山することにしました。

下りはこんなこともできます。いわゆる尻シェードで、楽チンですよ。

下山途中に見上げた北壁です 元谷から北壁全景を

これも強い味方、元谷小屋です 大神山神社で無事を祝う? 何事もなく帰ってきました

 帰り際に山頂が見えていました

 いかがだったでしょうか?幸い今シーズンは大きな事故もなく、私たちもパトロールに励んだ甲斐があったと喜んでいます。もっとも私たち岳獅山岳会のメンバーはパトロールがなくても登山をしているような連中ばかりなのですが・・・
 岳獅会としては、今回の冬山だけではなくいろいろな大山の楽しみ方をご紹介したいと思っています。次回のレポートにご期待ください。

おまけです(岳獅会の長澤さん撮影です)


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